――ここは、どこ?……ボクは、誰?……
夢を見ていた……ほんの少しだけ……ボクは、なぜここにいる……?
これは……願い? それとも……?
スター……ロード……そう………スターロードだ。みんなの願いが集う場所。星が生まれる場所。ボクは、ずっと見ていた……星となり、流れ星となって、みんなの願いがかなう瞬間を。みんなの願いが輝く瞬間を……ただ、見ていた。
でも、みんなの願いは叶わなくなった。鈍い光を放って、天から舞い降りたつるぎ。星を砕いた災厄……『武器』たち。
ボクはあのとき『ボク』となった。天からの使者として生まれたあの日。
あれは、誰の願い? わからない……でも、ボクは降りた……あの世界に。みんなの願いを守るために……そうだ、ボクは――
王国のはるか上空。スターロードは、みんなのねがいを叶えるお手伝いをしていました。
『彼』がその様子をぼんやりと眺めていると、ゆっくりと光が近づいてきました。フワフワと宙を飛ぶその光は、どこか懐かしい感じがしました。
「この願いは……彼の……いや、彼女の……そうか。あれから時が経ったんだね」
ほんの少しの時間。瞼を閉じて開くまでの……一瞬のひととき。『彼』は、そう思っていました。しかし、『彼』が思う以上に、世界には長い月日が経っていました。
「スターロードよ、どうかこのねがいを叶えたまえ」
すると、その光はキラキラと『彼』の頭上を少し漂った後、勢いよく上空へ飛んでいきました。そして閃光の後、夜空を照らす一つの星になりました。
[次へ]
[前へ]
[目次へ]